ウイルスと細菌の違いとは? SIAA(抗菌製品技術協議会)が認めた商品とは?

2022/05/16

ウイルスや細菌は似ていると思われがちですが、実はウイルスと細菌には大きな違いがあります。
そのため感染症対策をする際は、各ウイルスもしくは細菌に合ったアイテムを選ぶことが大切です。
飲食店や企業の場合は、建物や家具をまるごとコーティングすることを検討しましょう。
ほとんどの場合一度コーティング剤を塗布すれば、抗菌や抗ウイルスの働きが長期間持続するからです。
今回は安心感を持って使用できるコーティング商品の選び方や、ウイルスと細菌の違いについて紹介していきます。

ウイルスと細菌の代表的な違い

ウイルスと細菌はどちらも感染症を引き起こす病原体です。
よく知られているウイルスは、インフルエンザウイルスやノロウイルス、コロナウイルスなどです。
細菌は大腸菌やサルモネラ菌などが挙げられます。
どちらも人体に影響を与える病原体ですが、構造がまったく異なります。
ウイルスと細菌の代表的な違いを以下にまとめました。

  • 増殖の仕組み
  • 大きさ

次の項目で上記の2点の違いについて解説していきます。

細菌は生物だがウイルスは物質

ウイルスと細菌の大きな違いは、生物か否かという点です。
今のところ次の理由から細菌は生物で、ウイルスは物質という考え方が一般的になっています。

  • 細菌…一つの細胞がある単細胞生物
  • ウイルス…細胞がなく、自ら増殖できない物質

細菌の細胞は核のない原核生物で、栄養源を摂取して生存したり自らと同じ細菌を増殖させたりします。
一方ウイルスは細胞がなく、細菌のように単独で生存したり増殖したりすることはできません。
しかし生物の細胞に入り込んで自らを複製させます。
その後細胞の中で増殖して破裂したウイルスが他の生物の細胞に入ることで、ウイルスが増殖していきます。
このようにウイルスと細菌では、増殖の仕組みがまったく異なるのです。

細菌よりもウイルスははるかに小さい

ウイルスも細菌も肉眼では確認できない、とても小さな生物です。
しかし細菌は光学顕微鏡を使えば見られるほどの大きさがあります。
一方ウイルスは細菌よりも小さいため、電子顕微鏡を利用しないと確認することはできません。
実際の大きさを以下で比較してみましょう。

  • 細菌の大きさ…100万分の1メートル
  • ウイルスの大きさ…細菌の50分の1ほどの大きさ

細菌はミクロンサイズなのに対して、ウイルスはナノサイズとかなりの違いがあります。
そのためウイルスは細胞に入り込むことができるのです。

ウイルスと細菌の両方を安心して対策する方法

ウイルスと細菌は増殖の仕組みや大きさは異なりますが、基本的な予防方法はほとんど同じです。

  • バランスのとれた食生活
  • ほど良い運動
  • 手洗いとうがい
  • 十分な睡眠

上記の予防方法は一人ひとりが行える予防方法です。
しかし飲食店や企業としてできる対策方法は、清潔さを保つことや換気などと限定的です。
もちろん手に触れるものをこまめに拭いたり消毒を徹底したりして感染症予防することもできますが、それぞれの仕事をこなしながら感染症対策を継続して行うのは大変です。
建物全体や使用する物品を抗菌や抗ウイルス効果の期待できる塗料で覆ってしまえば、頻繫に消毒をする手間を減らせます。
また家具を移動させることなくコーティングできる商品も増えているため、多くの飲食店や企業から注目を集めています。

SIAAが認めたコーティング商品に注目

数多くのコーティング商品の中から信頼できる商品を選ぶための判断基準の一つになるのが、SIAAマークがついているか否かです。
SIAA(抗菌製品技術協議会)とは、抗菌剤や抗菌加工製品メーカー、試験機関によって作られた団体です。
それぞれの専門家から様々な意見を聞きながら、品質や安全に関するルールを定めています。
品質の優れた安心して使える商品の普及を目指していることから、ルールを満たしている製品には、消費者がすぐに確認できるSIAAマークの表示が認められています。
つまり一定の安心感を得られる商品を選ぶためには、SIAAに認められた商品を選ぶのが望ましいのです。

SIAAが認める表示マークの種類

一口にSIAAマークと言っても、商品の種類によって表示マークは違います。
そのため利用したいと考える表示マークがついているか否かを確認することが大切です。
まず以下でSIAAに存在する3つのマークを見ていきましょう。

  • 抗菌加工…SIAA for KOHKIN
  • 抗ウイルス加工…SIAA ISO21702 抗ウイルス加工
  • 防カビ加工…SIAA 防カビ加工

例えば抗菌効果が期待できるコーティングを選ぶのならば、抗菌加工のマークが表示されている商品を選ぶ必要があります。
抗ウイルス効果を期待する場合も同様です。
抗菌と抗ウイルスの両方の対策をする場合は、抗菌加工と抗ウイルス加工の2つのマークが表示されている商品を選ぶことが大切です。

SIAAマークがある素材コーティング剤の一例

では実際にSIAAマークのついている素材コーティング商品の種類を以下で確認していきましょう。

  • ダイアモンドプロテクトウッド
  • バイオコートG
  • UDD触媒ダイヤモンドマジィックD-D

上記の3つの商品は、抗菌や抗ウイルス効果の両方を期待できる塗料です。
ダイアモンドプロテクトウッドとバイオコートGに関しては、あらかじめ塗料が塗られた木を取り寄せたり、今ある床材や壁材に塗料を塗ったりして感染症対策を行います。
一般的な塗料と同様に、クリアカラーやカラーコートなどの好みのカラーを選択することも可能です。
この点がUDD触媒ダイヤモンドマジックD-Dとの大きな違いです。
UDD触媒ダイヤモンドマジックは、特殊な粒子が含まれたコーティング剤を吹き付けます。
ニオイや生物への影響がないことから、テーブルやキッチン用品などの様々なアイテムに使用できます。

床材専門のダイアモンドプロテクトウッド

ダイアモンドプロテクトウッドは、ナノダイヤモンドという特殊な粒子をコーティングした床材です。
期待できる機能は次の4つです。

  • 抗菌
  • 抗ウイルス
  • 消臭
  • 防カビ

SIAAマークは、抗菌と抗ウイルスの両方のマークが表示されています。
大きな特徴は次の3点です。

  • 信頼性の高いエビデンスがある
  • ペットや子供がいても使える
  • カラーや木材を選べる

4ナノメートルから6ナノメートルほどの小さな粒子を吹き付けて、電子授受の酸化反応によってウイルスや菌を分解する仕組みです。
そのためペットや子供がいても安心感を持って使用できます。
また特定のウイルスを99パーセント以上減少させたというエビデンスがあるため、特にウイルス対策に期待が持てます。
床材の種類やカラーを選べるため、インテリアにこだわる人に向いています。

・・複数の細菌対策が可能なバイオコートG

バイオコートGは有機複合剤を使用した塗膜コーティングです。
期待できる機能を以下で確認しましょう。

  • 抗菌
  • 抗ウイルス
  • 抗カビ

抗ウイルスに関してはSIAAの認証を得ています。
ただし以下の大きな特徴があるため、抗菌や抗カビ効果にも期待が持てます。

  • 300種類以上の細菌や真菌に対応

そのため飲食店の感染症対策にも向いています。
人体への影響がないことから、食器棚やガラス瓶などの様々なアイテムに使用することが可能です。
またクリアコートからカラーコートまで選べるという点も大きな特徴です。

利用しやすいUDD触媒ダイヤモンドマジィックD-D

UDD触媒ダイヤモンドマジィックD-Dは、ナノサイズの粒子を吹き付けた部分にウイルスが接触することで無害化される仕組みのコーティング剤です。
期待できる機能は次の2点です。

  • 抗ウイルス
  • 抗菌

ニオイや人体に影響がないだけでなく、気温や明るさにも左右されないため効果が持続しやすいというメリットがあります。
また以下の特徴もあります。

  • 医科大学医学部によるウイルス不活性効果に対する証明書を取得

例えばA型インフルエンザウイルスに対しては、10分で91.363パーセント減少したという報告書があります。
そのため特にウイルス対策を徹底したい人は注目です。
無色なことから、ソファーなどの繊維素材にも安心して使用できます。

まとめ

今回紹介したようにウイルスと細菌は、大きさも増殖の仕方も違います。
まずはこの2つの違いを理解しておくことが大切です。
しかしウイルスや細菌を減少させるのに効果的なコーティング商品はたくさんあるため、消費者が自分で一つひとつのウイルスや細菌に合う商品を選ぶのは難しいのが実情です。
そのためSIAAマークの有無を判断材料の一つにしましょう。
専門家が定めたルールをクリアしている商品のみSIAAマークの表示が認められるため、安心して使用できる商品とそうでない商品の違いを見極めるのに役立ちます。
今回紹介した3つのコーティング商品も参考にして、もし気になる商品があったのならば販売元に直接問い合わせてみましょう。