エタノールの種類は?用途や使用する際の注意点も併せて解説!

2022/07/01

エタノールはアルコールの一種で、さまざまな用途があります。エタノールには原料によって、「エチレンが原料の合成アルコール」と「糖蜜などの農作物が原料である発酵アルコール」の2種類に分けることができます。
今回の記事では、前者エタノールの種類や用途、使用する際の注意点を解説します。エタノールを使用する予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

エタノールの種類

エタノールの種類

エタノールは成分濃度の違いによって、大きく3種類に分けることができます。国が定めた日本薬局方で規定されているエタノールの種類は、「無水エタノール」「エタノール」「消毒用エタノール」の3つです。濃度によって特性が異なるので、用途に合わせて種類を選ぶ必要があります。

①無水エタノール

無水エタノールの濃度は99.5vol%で、水分をほぼ含まないアルコール濃度の高いエタノールのことです。洗浄力が高く、すぐ蒸発する性質を持っているため、水拭きができない電気製品などの掃除に多く使用されています。
刺激が強く、肌に触れると水分を奪ってしまうため、使用する際は手袋を着用しましょう。アルコール濃度が高いので消毒力も強いと思う方も多いですが、瞬時に蒸発してしまうため、消毒には向いていません。

②エタノール

エタノールの濃度は95.1〜96.9vol%で、自家製化粧品や清掃用の原料など、幅広い用途で使われています。無水エタノールと同様、精製水で濃度調整すれば、消毒用エタノールとして利用することができます。

③消毒用エタノール

消毒用エタノールの濃度は76.9〜81.4vol%で、無水エタノールと比較して、蒸発しにくいのが特徴です。一定時間とどまって殺菌ができるので、手すりやエレベーターのボタン、ドアノブなど、人が多く触れる場所の消毒に使われています。
80%前後の濃度が最も消毒能力が高く、インフルエンザやウイルス対策に効果的です。無水エタノールに比べて肌への刺激もそれほど強くないため、日常的に利用することができます。手荒れが気になる場合は、ヒアルロン酸など肌に良い成分を配合した製品がおすすめです。

エタノールの主な用途

エタノールの主な用途

エタノールは原料として使用されることが多いですが、家庭でも清掃や消毒として使われています。ここでは、主な用途を大きく分けて3つ紹介します。

①原料として使用される場合

洗剤液体洗剤(台所用・家具用・衣料用・工業用)
化粧石鹸(透明な固形石鹸)
化粧品化粧水・ヘアトニック・香水・シャンプー・デオドランド
塗料合成樹脂塗料・塗料希釈剤・防蝕用塗料
医薬品ビタミン類・心臓薬・外用薬・抗生物質製剤・手指消毒剤
その他混合溶剤・エーテル(麻酔薬・溶剤)・写真フィルム・液体燃料・インク

②清掃や消毒として使用される場合

キッチン周り・冷蔵庫内の消毒&消臭
・電子レンジの消毒&消臭
・まな板の消毒・消臭
・シンクの清掃&消毒
・コンロの油汚れの清掃
・魔法瓶や密封容器の殺菌
リビング・窓ガラスの清掃&消毒&カビ予防
・シール剥がし
・落書き消し
・スイッチやリモコンの消毒&手垢落とし
電気製品・キーボードやスマホの消毒&手垢落とし
・テレビの液晶画面やカメラレンズの清掃
・電子タバコのメンテナンス
その他・トイレの消毒
・お風呂のカビ予防

③手指の消毒として使用される場合

無水エタノールを精製水で薄めれば、手指用の消毒液を自作することもできます。消毒液を大量に使用する場合は、自作した方が費用を抑えられるでしょう。また、市販の消毒液が入手しづらいときにもおすすめです。消毒効果が最も高いのは、濃度が80%前後と言われています。
自作する際は、500mlの無水エタノールに対して、100ml程度の精製水を入れて薄めましょう。効果的な手指の消毒方法としては、まず500円玉程度の量を手のひらにとります。使用量は手のひらの大きさによりますが、15〜30秒すり込んでも乾かない量が適量です。
手のひらに消毒液をとったら、爪の間も意識して、まずは指先にすり込みます。次に手のひら全体、指の間の順です。親指や手の甲、手首も忘れずにすり込みましょう。しっかりすり込んでも消毒液が残る場合は、清潔なハンドタオルもしくはハンドペーパー、ティッシュなどで拭き取ります。
消毒による手荒れが気になる場合は、ハンドクリームを塗りましょう。手荒れがひどくなると菌が滞在しやすくなるため、ハンドケアもしっかり行うことが大切です。

無水エタノールを使用する際の注意点

エタノールを使用する際の注意点

無水エタノールは殺菌効果が高く、ウイルスや殺菌、カビなどに効果的です。しかし、引火しやすい性質があるため、使用する際は十分注意しましょう。下記では、無水エタノールを使用する際の注意点を4つ紹介します。

①火気に近づけない

エタノールは危険物に該当し、引火しやすい性質があります。火気の近くで使ったり、火の気の近くに保管したりするのは非常に危険です。無水エタノールは必ず火の気のないところ(静電気も含む)で使用しましょう。
また、すぐ蒸発してしまうため、使用中に無水エタノールの蓋を開けっぱなしにしておくと、空気中の水分を吸収して濃度が低くなることがあります。蓋はしっかり締めて、直射日光を避けた涼しい場所に保管しましょう。また、目に入ったり、誤って飲んだりすると大変危険です。子どもがいる家庭は、必ず手の届かない場所に置くよう心掛けてください。

②必ずゴム手袋をつける

アルコール濃度の高い無水エタノールは、すぐに蒸発する性質や水分を奪う性質を持っているため、素手で触ると手が荒れてしまいます。必ず使用するときは、ゴム手袋が必須です。また、空気中にアルコール成分は残るので、長時間の作業は避けるようにしましょう。
気分が悪くなることもあるので、マスクの使用を推奨しています。短時間の場合でも、換気は忘れずに行うようにしてください。アルコールアレルギーを持っている方は、発疹やかゆみが出ることもあります。何らかの症状が出た場合は、直ちに使用を中止してください。

③掃除するものの素材を必ず確認する

無水エタノールは油分を浮かせる洗浄力を持っているので、汚れを落としたいときに効果的です。その一方で、壁や家具の塗装・ニスを変色させたり、剥がしてしまうことがあります。
他にもポリスチレンやAS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、革製品などを変質させてしまう性質もあるため、これらへの使用は避けるようにしましょう。精製水を混ぜ合わせる容器やスプレー容器を選ぶときも、素材を確認することをおすすめします。

④他のアルコールと混ぜない

市販のアルコールの中には、人体に有害なメタノール(メチルアルコール)でできているものもあります。これはアルコールランプの燃料など工業用として使われており、エタノールのように消毒液として使用できません。大量に吸ってしまうと、吐き気やめまい、意識障害、失明などの症状が出る恐れがあります。そのため、エタノールが入手しづらくなっても、他のアルコールと混ぜてかさ増ししたりするのは絶対にやめましょう。

注意点を押さえて安全にエタノールを使おう

今回はエタノールとアルコールの違い、使い方や注意点などを紹介しました。エタノールはアルコールの一種で、濃度の高い順に「無水エタノール」「エタノール」「消毒用エタノール」の3種類に分けられます。
殺菌効果が高いためウイルス対策などに効果的ですが、濃度の高いエタノールは蒸発しやすい、引火しやすいといった性質があるため、使用する際は十分注意しましょう。

抗菌・抗ウイルス対策をしたい場合は、金属のプロが作ったコウキングがおすすめです。抗菌コーティングを行うと、ウイルスや細菌の増殖を抑えられます。日常的に人が多く触れるドアノブや電気のスイッチなど、どんな場所にも使用可能です。
コウキングはもともと事業者向けに開発した商品ですが、家庭でもお使い頂けます。1回の塗布で抗菌効果が3〜5年続くので、市販の抗菌グッズよりも長期的に効果を感じられます。

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