カビが引き起こす病気とは?発生要因や予防策も併せて紹介!

2022/08/02

カビが発生する3つの要因

カビは微生物群の一種で菌の仲間ですが、環境が悪くても生きていくことができます。カビが増殖する要因は、「温度」「湿度」「栄養源」の条件が揃った時です。梅雨の時期にカビが発生しやすいのは、3つの条件が揃うためです。カビの増殖を抑えるには、この3条件が揃わない環境を作る必要があります。


カビにとって最適な環境は、温度は約20〜30℃、湿度は約70%です。ゴミや埃、人の皮脂や垢、建材など、ありとあらゆるものを栄養源としているため、室内であればカビの栄養源はそこら中にあると言えます。


室内空気1㎥に対して、カビは数個から数千個浮遊しています。衛生基準はありませんが、一般的に100個以下は少ない、1000個以上であれば多いと言われています。

家庭で発生しやすいカビの種類

浴室のカビ

年々新しい種類が発見されていますが、中でも身近なカビは6種類あります。

①黒カビ


黒カビは、カビの中で最も一般的なものです。どこにでもあるカビなので、結露の溜まりやすい場所や空気の流れが滞留しやすい場所など、家の中であれば場所問わず発生する可能性があります。空気中にも多く浮遊していますが、アルコールや熱に弱いのが特徴です。


黒カビ自体に毒性はありませんが、エアコンなどに繁殖すると、アレルギーや気管支疾患の原因となります。繁殖する可能性が高いので、一度見つけたら徹底的に除菌するようにしましょう。

②赤カビ


赤カビは、植物を枯らしたり腐敗させる作用を持ちます。収穫した野菜に生えることもありますが、家庭では古くなったご飯に発生しやすいです。この赤カビには、植物を枯らすだけでなく、人間にも有毒なカビ毒を産生します。


重篤な中毒症状や免疫不全を引き起こすため、少しでも赤カビが生えている食べ物は、絶対捨てるようにしましょう。赤カビと混同されがちなのが、お風呂場などに見られるピンク色のものです。
厳密に言うとカビではなく、ロドトルラという酵母菌の一種ですが、黒カビの発生原因となります。毒性はありませんが、見つけたらすぐ取り除くようにしましょう。


③青カビ


青カビは黒カビと同様、家庭で発生しやすいカビの一種です。空気中に浮遊しており、パンやお菓子などに生えるのは、この青カビがほとんであると言えます。特に毒性はありませんが、青カビが食べ物に生えている場合、赤カビなどの有毒なカビも生えている可能性が高いです。


青カビ単体では、ゴルゴンゾーラやロックフォールといったチーズの発酵に使われています。日常生活で非常に馴染みのあるカビです。


④緑カビ


緑カビは青カビと似ているため混同されがちですが、青カビとは全く別のものです。湿気の多いところで発生しやすく、木材の劣化や腐敗を引き起こします。鉄筋コンクリート製のマンションでは馴染みがありませんが、木造住宅では梅雨の時期になると毎年発生することも珍しくありません。


トリコデルマという別名を持つ緑カビはカビ毒を発生させるので、多く吸い込むと腹痛や中毒症状を引き起こすこともあります。


⑤黄カビ


一般的にカビは湿気がある場所を好みますが、黄カビは乾燥した場所に発生します。ガラスやフィルム、刀剣のような場所に発生することが多いです。カメラのレンズに曇りを生じさせるカビも黄色カビです。


空気中の湿気を栄養分として乾燥した場所に発生するため、青カビなどが繁殖できない保存食にも発生することがあります。


⑥白カビ


白カビは食べ物や建材など、至る所に発生します。見た目は異なりますが、青カビや黄カビの仲間であることがほとんどです。中には強い毒性を産生するものもあるので、他のカビ同様、吸い込まないようにしましょう。


カマンベールチーズやブリーチーズの製造に使われているカビも白カビと呼ばれていますが、厳密に言うと青カビの一種です。

カビが引き起こす病気

カビが引き起こす病気

カビには様々な種類があり、特徴も異なります。毒性がないカビもありますが、見つけた時は除菌するようにしましょう。下記では、カビが引き起こす病気を紹介します。健康被害を及ぼすカビも多くあるため、注意が必要です。


水虫


水虫とは、白癬菌というカビが足などに繁殖して起こる皮膚の病気です。正式名称は水虫ではなく、白癬と言います。白癬菌は手や体にも感染しますが、約9割は足です。足に繁殖しやすいのは、靴を履くことにより足がむれ、菌が好む高温多湿な環境が作られるからです。


男性に多いイメージが強いですが、最近では女性でも水虫に悩まされている人が増えています。白癬菌は水虫にかかった人の皮膚から剥がれ落ちる角質の中でも生きているため、それを素足で踏んだりしても感染します。


ただし、菌が付着しただけですぐ水虫になるわけではありません。洗い流されずに残った菌が、傷ついた角質から入り込み、なおかつ繁殖しやすい環境だと感染が成立します。


スポロトリクム症


スポロトリクム症は、園芸家や庭師がよくかかる病気です。水苔やバラの木に付着しているスポロトリクス・シェンキイという腐生性糸状菌が原因となっています。片方の腕や足が異様に膨らみ、赤く腫れた後、潰瘍を起こす皮膚疾患です。敗血症を引き起こすと死に至りますが、早期発見・早期治療で完治する可能性は高いと言われています。


肺アスペルギルス症


麹菌として知られているアスペルギルス属の中で、フミガースツと呼ばれる真菌が肺に入ることによって引き起こる肺炎です。症状が重い場合は呼吸困難となります。アスペルギルスは空気中に普遍的に見られるカビで、エアコンを通じて室内に拡散されます。


長期的に病気を治療している方やステロイド薬を常用している方に取り付きやすく、咳や痰が激しく出て病気に気づくことが多いです。適切な治療で完治はしますが、ステロイドを内服している方は特に要注意です。


クリプトコッカス症


クリプトコッカス症はカビが引き起こす最も恐ろしい病気です。ハトの糞中に含まれるクリプトコッカス・ネオホルムと呼ばれるカビが原因となっています。肺炎から髄膜炎に移行すると致死率が非常に高くなり、老人や乳幼児を襲います。


ハトに近づくのは極めて危険です。一斉にハトが飛び上がる際に、糞の微細片も一緒に巻き上がります。これを吸い込むのも非常に危険であるため、ハトには近寄らない方が無難です。


効果的なカビの予防策

カビの予防策

家の中でカビが生えやすいのは、風通しが悪く、湿度が高い場所です。

  • ・水回り(トイレ・浴室・台所)
    ・収納(クローゼット・押し入れ)
    ・大きな家具の裏側(冷蔵庫・タンス・食器棚)
    ・エアコンの内部
    ・寝具の下
    ・畳

  • 特に浴室や台所などの水回りには、皮脂汚れや食べ物のカスが落ちている可能性が高いです。カビの栄養源となるものが多いため、カビが繁殖しやすくなります。また、マットレスや布団などの下は寝汗や結露がつき、体温で温められるためカビが繁殖しやすいです。下記では、日常生活で実践できるカビの予防策を紹介します。
  •  
  • 換気をする


  • 換気をしないと室内の温度や湿度が高くなり、カビが繁殖しやすい環境になります。カビ予防に繋がるため、こまめに換気をすることが大切です。室内だけでなく、クローゼットや押し入れなどもしっかり換気しましょう。風通しを良くすることで、カビの発生を抑えられます。
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  • 掃除をする

  • カビは埃や食べ物のカス、人間の皮脂汚れなどを栄養源にして繁殖するため、こまめに掃除をして、栄養源となる汚れを取り除くことが大切です。こびりついて落ちにくい汚れは、拭き掃除でしっかり落としましょう。
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  • 湿度を下げる


  • カビには様々な種類がありますが、湿度が60%以下になるとほとんどのカビは活動できなくなります。除湿機やエアコンの除湿機能を使って、部屋全体の湿度を下げることが大切
    です。クローゼットや靴箱などの収納部分は、除湿剤を置いたり、すのこを敷いたりすると良いです。
  •  
  • 風通しを良くする


  • 換気を行っても、家具の配置が原因で風通しが悪いと、湿度が下がらないことがあります。可能な限り、風通しの良いレイアウトになるよう工夫が必要です。風通しが良いほど、室内の湿度は下がりやすくなるため、カビ予防に繋がります。

  • 収納場所は余裕を持たせてモノを入れるようにしましょう。隙間なく入れてしまうと、空気の逃げ場がなくなり、湿度の高い空間ができてしまいます。また、湿気が空気中に滞留しやすくなるため、観葉植物は壁際に置かない方が無難です。

予防していてもカビが生えてしまうことは少なくありません。生えてしまった時の対処法はこちらの記事でご確認ください。

梅雨明けに見つけたカビの掃除方法を解説!

効果的な方法でカビの発生を防ごう


今回はカビの発生要因や種類、カビが引き起こす病気などを紹介しました。カビには様々な種類があり、強い毒性を持っているカビも多いです。カビが原因の病気にかからないためにも、日頃からカビ予防をするようにしましょう。


菌の繁殖を防ぎたい場合は、掃除後に「コウキング」で抗菌加工をするのがおすすめです。コウキングは、金属のプロが作った抗菌・抗ウイルス剤です。 抗菌コーティングを行うと、カビの原因にもなる細菌やウイルスの増殖を抑えることができます。


ドアノブやスイッチなど、人の手が触れやすいどんな場所にも使用可能です。 コウキングはもともと事業者の方向けに開発した商品であるため、1回の塗布で抗菌効果が3〜5年と、市販の抗菌グッズよりも長持ちします。

カビの予防策と並行して、コウキングを活用してみてはいかがでしょうか。

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